2日目は、六本木の美術館を中心に。東京ミッドタウンにある21_21 DESIGN SIGHT、六本木ヒルズにある森美術館、森アーツセンターギャラリーと駆け足だ。
余談だが、六本木ヒルズの展望台に、自分もお世話になったことのある安積伸先生の「LEM 」というスツールが大量に設置してあってちょっとビックリ。
まず始めに行ったのは、東京ミッドタウン内、21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「骨」展。21_21 DESIGN SIGHTは初めて行ったが、こじんまりとした佇まいがいい。
「骨」展は、工業製品の内にある「骨・骨格」をテーマとした展覧会だ。
自分は、この展覧科のディレクターでもある山中俊治氏が慶応義塾大学大学院の学生と作り上げた作品が面白かった。よく見ると単純なパーツ構成であり、単純な水平回転をランダムに繰り返しているに過ぎない。なのに、「生」を感じさせる動きを見せる。
もう一つ、アートユニット「明和電機」の作品も良かった。人が胴体の車輪を回すことで、その人に対しいかにも居丈高に胸を張り、そして笑う…。人の行為を純粋化しているのに、それをあざ笑うかのような「おかしみ」を表現してしまうのがすごい。
自分が好きな2つの作品に共通することは、きっと「生」のエッセンスをきちんと捉えようとしていることなのだろう。そしてそれを明確に、簡単に、わかりやすく人に伝える。「骨」というまさにいらないものを削げ落として行くテーマだけに、作品のどれもがそれを感じさせる展覧会だった。
昼からは六本木ヒルズに移り、「万華鏡の視覚」展と「メイド・イン・カッシーナ」展を見た。
こちらの2つの展覧会は…今回の旅行のメインのつもりだったのだが、正直な所今一歩面白くなかったような気がする。何故だろう。
それでも「メイド・イン・カッシーナ」展はやはり家具の名門カッシーナ社の古いものの本物が見られたりしたのは良かった。ガエタノ=ペッシェの家具なんてなかなか日本で使用している所はないしね。
大阪のサントリーミュージアムでのブラウンの展覧会といい、プロダクトデザインを「作品」として展覧会の題材に選ばれるのは喜ばしいことだ。ただ、一つ思ったのはやはりカッシーナの作るものは「作品」である以前に「家具」。もっと触ったり座れたりできたらいいのになぁ、と思った。
実際「触るな」って書かれているのに、ごく自然に触っちゃってる人が結構いた。でもこれって「家具」としては正解な訳で、ああ、そうだよな、っと思った。
「万華鏡の視覚」展は…うーん、作品は面白かったのも多いけれど、展示の仕方が悪いのか印象に残りづらかったように感じた…展覧会でこんなこと感じるのは珍しいのだが。「視覚」をテーマにしているのだからもっとめくるめく世界を想像していたんだけど。
…2日間、バタバタと見て回ったがやっぱり東京は恵まれているなぁ…まだまだ見たい展覧会がある。
兎にも角にも、今後につながる旅行だったよ。
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