今日、桂離宮に見学に行ってきた。桂離宮は1615年頃、八条宮初代智仁親王により宮家の別荘として創建され、その後1662年頃までに現在の姿が整えられた。現在は宮内庁管轄、国有財産である。
見学ルートに沿って係員とともに巡る形式なので内部は詳しく見ることができないが、古書院・中書院・新御殿の縦横に整えられた外観などを楽しめる。また、松琴亭の襖の青と白による市松模様など、現代でも十二分に通用する空間・意匠の作り方など、学ぶことも多い。
建物も良かったが、自分の印象に残ったのは庭の見事さであった。360°どこを見ても絵になっている。なのに、客人に対しての心配りがすごい。例えば、茶室までの道のりにおいては、庭の景色をわざと見せないようになっている。
また、特に足下の飛石に感銘を受けた。「真・行・草」と種類があり、御殿に向かうに従い緊張と緩和を表現するというのもすごいが、茶室までの通路に飛石を使う理由が「足下に意識を使わせることで、茶室までは景色を意識させないため」、と聞いてはその気配りに嘆息するばかりである。
そしてポンポンと簡単におかれているように見える自然石の飛石の表情が、本当に素晴らしいのに驚いた。こういう仕事は率直にすごいと思う。
大学の近くにありながら、予約が必要なのもあってなかなか機会がなかったが、いやはや勉強になった。
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