今日は突飛な内容だが。
プロダクトデザインにおいて質感はとても重要だ。人間の五感って自分で思っている以上に敏感だなぁと、ふとした瞬間に感じることがよくある。どんな精巧なフェイクでもやっぱり一目見ただけでわかってしまうし(職人芸のデキの食品サンプルなんかがわかりやすいだろうか)、触ると余計に差がはっきりする。
で、その質感は使われている素材にも多分に影響を受けている訳だが、自分には昔から、「こんなのあったらな〜、でも無理だな〜」と思う質感がある。
それが「マットな透明」である。
わかる人には何を言ってんだ(笑)ってなもんである。
「マットな」質感とは要はそのものの表面が荒れてザラザラしているから、光を細かく乱反射して結果として光沢性が失われている状態である。
一方「透明」とは光が透過すること、つまりそのものが表面含め濁っていないことが「透明」であることの第一条件だ。
つまり、この二つの性質はどうあがいても一緒に発現しない。「すりガラス」がその答えを出している。
もちろん一方は視覚・触覚的な意味での言葉で、一方は光学的な性質を表す言葉だから、この二つの言葉が相対性のある言葉でないのはわかっている。
でも、例えば絵が額に入れられて飾ってあるとき、斜めから見るとはめてあるガラスに光が反射して絵が見えないことってないだろうか。ショーウインドウの中が反射で全然見えないことってないだろうか。
こういう経験をするたびに「マットな透明があったらいいのになぁ〜」と勝手に思っている。
与太話で失礼。
PR