ここのところ、「メラミン」の混入した食品が問題になっている。物事に100%安全安心ということがあり得ないのはわかるが、このように問題が頻発したのではたまらない。
ところで、自分が気になるのは今回混入されたメラミンが、十分にどんなものか言わず、「混入した、混入した」と、ものすごい毒物であるかのような報道がされていることである。
食器が好きな方はおわかりになっていると思うが、メラミンは食器などに使われるメラミン樹脂の原料となるものである。
自分はメラミン(樹脂)製の食器が好きだ。金属ほど冷たくなく、陶磁器よりもひなびていない。身体になじむ「温度」を持つイメージがある。メラミンのスプーンを唇に当てると冷たくも熱くも感じない。元から体温に合った温度を保っているかのようだ。人間にちょうどいい質感が備わっている素材だと思う。
しかし、自分がテレビのニュース番組で見る限り、この問題に対する報道で「メラミンが何であるか」という説明をあまり見ない。腎結石になるなどのリスク面ばかりが全面に出されている。
メラミンは食器にも使われているのに、この報道ではいかにも毒物という認識がされないだろうか。
もちろん、体内に摂取されると有害なのはわかる。食品に混入されたことは由々しき事態だ。
ただ、今回の問題、そしてその報道の仕方によって本来の使われ方をしているものまで敬遠されてしまわないだろうか。
自分の好きな素材だけに、このことが気になる。
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